中学受験の考え方

【中学受験】母親の役割は子供の健康面と精神面のサポートすること!

二月の勝者第四巻 第29講

このシーンは高瀬志帆原作「二月の勝者 第四巻 第29講」のワンシーンです。

成績の良いわが子を他の子のペースに合わせたくない母親が塾に相談に来ている場面です。

中学受験は小学校4年生から6年生までの3年間を家族全員ですべてをかけて取り組まなければなりません。

特にお母さんは家庭内での子どもと過ごす時間が長いです。

こちらのグラフをご覧ください。

両親の子供と接する時間の差

(引用:文部科学省「子どもの育ちをめぐる現状等に関するデータ集 2-4育児・家事時間、子供と接する時間」より)

このグラフからわかるように、

お父さんが一日の中で子どもと過ごす時間は「3.1時間」

お母さんが子どもと過ごす時間は「7.6時間」

その差は何と「4.5時間」もあるのです。

この時間は1日の子どもとの接触時間ですので、

1週間であれば、7.6時間×7日=53.2時間

1ヵ月であれば53.2時間×4週間=212.8時間

1年であれば212.8×12ヵ月=2,553.6時間

1年間で2,553時間子どもと過ごす時間があるという事は中学受験に取り組む3年間で約7,659時間子どもと一緒に過ごすこととなります。

お父さんが3年間で子どもと過ごすであろう時間は約3,124時間です。その差は何と4,500時間お母さんの方が子どもと過ごす時間が長いのです。

子どもと過ごす時間を生かすも殺すもお母さん次第です。

成績が上がらないからとイライラして、子どもに八つ当たりをしてしまうのか、子どもの目線に立って一緒に中学受験を取り組んでいくかで、結果は大きく変わります。

ぜひ、子どものサポートに徹して志望校への合格を目指してください。

お母さんは子どもに勉強は教えずに、健康管理などのサポート面で支えてあげましょう!

お母さんは子どもを健康面でサポートしてあげることが最も大切です

寝てる子どもの画像

子どもの睡眠時間はお母さんが確保してあげましょう

「お母さんに褒められたい」「テストの点数を上げたい」という子の多くは夜遅くまで勉強を行います。

夜遅くまで勉強していて、しっかりとした睡眠をとることができていないと脳の発達にも悪影響を与え、さらには学習効果が低減する可能性があることも日本の論文によって示されています。

幼弱な脳は発達の過程で適切な外界からの刺激により影響を受け、細胞構築シナプトゲネーシスなどの正常な発達がなされる。脳にはこのような可逆性がある。この刺激が適切な時期になされないと脳は正常な発達が出来ず、機能しなくなる。この時期を臨界期という。Frankらは臨界期にある子猫の片目を縫合し6時間後頭部の神経細胞に光刺激が入らないようにして、この神経細胞の光に対する反応性を縫合しなかったもう一方の目の後頭部の神経細胞の光に対する反応性を比較し、睡眠の影響について検討した。

6時間遮眼後の後頭葉の神経細胞の光に対して、反応する細胞は遮眼した側で5%、遮眼しなかった側で20%であった。遮眼6時間後に睡眠を6時間させたものと、睡眠をさせなかったものを比較したところ、前者では後頭葉の神経細胞の光に対する反応する細胞は遮眼した側で5%、遮眼しなかった側で約27%であったのに比し、後者では後頭葉の神経細胞の光に対する反応する細胞は遮眼した側で5%、遮眼しなかった側で約10%であった。すなわち睡眠により神経細胞の可逆性が維持される。逆に不眠にすると可逆性が悪く脳に起こった変化が定着しにくくなることを示している。このことから睡眠が記憶、学習効果の定着に関連していることが考えられる。

(引用:鳴門教育大学障害児教育講座 橋本俊顕「子供の睡眠の現状 5-4脳機能への影響」より)

この論文からもわかるように睡眠不足は学習の効果を低下させる可能性があることが分かります。

中学受験を指導する塾や家庭教師の先生からよく言われるのは

「寝るのも勉強のうち」

という言葉です。

寝すぎてしまうのも生活リズムの乱れの原因となります。

どんなに遅くても23時までにはお子さんを寝かせてあげましょう。

そして毎日朝6時~7時の間の決まった時間に起こしてあげましょう。

毎日同じ時間に寝て同じ時間に起きる生活習慣をつけてあげることで、お子さんが睡眠不足というストレスを負うことなく、受験勉強に集中することができます。

小学3年生~4年生の間にこの早寝早起きの生活習慣は必ずつけてあげましょう。

そして小学5年死~6年生になったら第一志望の私立中学校の試験開始時間の2~3時間前に起きる習慣をつけさせてあげましょう。

朝起きてから脳が活性化するまでには約2時間かかると言われています。

そして、人間のパフォーマンスが最も高いと言われるのが「午前中」です。

私立中学の試験は「午前の部」「午後の部」と時間が分かれています。

第一志望の私立中学の「午前の部」の開始時間の2~3時間前に自然に起きるようになっていればちょうど試験時間に脳が活性化して、最も高いパフォーマンスが発揮できます。

寝る時間を起きる時間をコントロールできるのもお母さんだけです。

家庭でできる受験に向けての作戦の一つとしてぜひ取り入れてみてください。

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勉強は常に問いかけ重視で、解き方などは教えないようにしましょう

子どもに優しく問いかける母親

親が子どもに対して「自分の理解できるやり方」「ただ問題集の解答を教えるやり方」は多くの塾講師や家庭教師が絶対にしないでほしい勉強の教え方だと言います。

中学受験塾ソムリエの西村則康さんと明治大学文学部教授の齋藤孝さんの対談によると

●母親の役割は問いかけとスケジュール管理

西村先生:家庭で勉強する時に母親に協力してほしいのは、子どもが自問する言葉を発することができるようにすることができるように、最初は母親の方からそうしたことばを子どもにかけることです

齋藤先生:母親は内容がわかっていなくても、言葉をかければいいわけですね。たとえばどんなことばをかけるのですか。

西村先生:「何を書けば、解けそうな気がする?」とか「何がわかればいいと思う?」「次に何を出せそうに感じる?」とかです。心がけてほしいのは、親はできる限り解き方を教えないこと、子ども自身に確認させ、思い出させ、予測させるために、やさしい言葉をかけること、そして穏やかな笑顔で接することです。

(引用:西村則康 齋藤 孝 共著「なぜ受験勉強は人生の役立つのか」第四章中学受験で「思考のワザ」を身に付けるより)

西村先生は大手中学受験塾で講師を行い、その後独立し、家庭教師として多くの家庭で子どもを教えてきた方です。

その方が著書の中で「親はできるかぎり解き方を教えないでほしい」と書いているということは反対に、今まで見てきた家庭の多くは子どもに考えさせることをせず、解答を教えてしまっていると考えられます。

中学受験で大切なことは「自分で考えられる力」です。

難関校になればなるほど、問題文で示されている条件を元に

「何が分かっていて、何を求めなければならないのか」

を自分の頭で考える必要があるのです。

この自分の頭で考える力を育てられることも中学受験をする大きなメリットではありますが、お母さんが解答や解き方を教えてしまってはこの「自分で考える力」が育たなくなってしまいます。

西村先生のアドバイスの通りお母さんは「何が分かっていないのか?」を子ども自身に考えさせるための質問をしてあげるようにしましょう。

子どもの中学受験でモヤモヤしたら旦那さんや塾に今の悩みを相談しましょう

仲の良い夫婦の画像

こちらの記事で引用している論文からもわかるように

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中学受験で志望校合格を目指す家庭のお母さんが子どもに対して

「暴力や暴力的な言動」を行うことは絶対にしないでください。

ストレスから、ついお子さんに強く当たってしまうこともあるかとは思いますが、親からの強い言動は子ども共感能力の低下や学力の低下を招いてしまいます。

せっかく一生懸命にお子さんが勉強していてもお母さんからの言動で子どもの学力を低下させかねないのです。

お子さんが「成績が上がらない」「勉強をしっかりと行わない」などでイライラしてしまったらまずは塾に相談に行くようにしましょう。

最も良いのはお子さんとお父さんお母さん三人で塾で面談を受けることです。

家族全員で面談を受けることで、子どもだけの問題ではなく「家族ごと」としてとらえることができます。

合わせて、塾という第三者の視点から「これからどうすれば良いか」を客観的な意見として聞くことができます。

塾を子どもの勉強の場所としてではなく、良い相談相手としても上手に活用していきましょう。

日々のこまかな子どもに関する気になることは旦那さんに相談しましょう。

旦那さんにまず「話す」ことでストレスが軽減されます。

そして必要があれば子どもを叱りつけるのではなく、語り掛けるようにして

「どうすればもっとできるようになるか?」

を自分で考えさせるように問いかけてあげてください。

中学受験に挑戦しているお子さんは少なからず自分の頭で考えることのできる「賢い」お子さんです。

どうしてもわからない時に「ヒント」を出すまでが親の役割だと思ってお子さんの中学受験を応援してあげましょう。

中学受験をサポートするお母さんの役割のまとめ

中学受験の勉強をする子どもの画像

中学受験を目指すお子さんは総じて精神年齢が高い傾向があります。

勉強ができ、精神年齢が高いと自分のお子さんをとらえてしまうとついつい大人と同じ扱いをしてしまいます。

しかしながら本質的には10~12歳の子どもであることを親御さんは絶対に忘れてはなりません。

特にお母さんは子どもがいつ甘えてきてもいいように精神的な余裕を持っておくことが大切です。

お母さんの「不安・怒り・イライラ」は必ず子どもに伝わってしまいます。

お母さんが優しく、明るくほめてあげるだけで多くの子どもは中学受験に前向きになります。

ぜひ、お母さんは子どもの健康面・精神面のサポートに徹してあげましょう。